クロス(壁紙)の役割について知っていますか。
壁や天井の仕上げに一般的に使われるクロスの役割について解説します。リフォームでクロスの張替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
クロスの役割
クロスの役割は主に以下の3つです。
- 空間を演出する
- 室内環境を整える
- 下地を保護する
空間を仕上げる
クロスには、室内空間を仕上げるという役割があります。下地の木材やプラスターボードのままでは味気なく、いまひとつな空間もクロスを貼ることで、生活するのにふさわしい部屋に仕上がります。
空間を演出する
仕上げるという役割を担ったうえで、クロスには室内空間を演出する役割があります。豊富な色や柄を活かして様々な空間を演出することができます。クロスの選び方ひとつで、まったく別の空間にすることができます。
クロス選びは難しくもあり、楽しくもあるのは、クロスが空間を演出するうえで大きな役割を持っているからです。
室内環境を整える
クロスには、室内環境を整える役割があります。消臭機能や調湿機能をもったクロスを選ぶことで、より快適な室内環境にすることができます。部屋の目的に合った機能を持つクロスを選ぶことでより使いやすい空間にすることができるでしょう。
下地を保護する
下地になっている木材やプラスターボードを保護する役割があります。
下地がむき出しでは、汚れやすく、水や湿気による被害も発生しやすい状態です。ビニルクロスであれば、水分にも強く、汚れを拭いて落とすこともできるので日常的な使い勝手が格段に向上します。あえて下地をむき出しにする仕上げの空間デザインもありますが、部屋の使用目的に合った仕上げにメンテナンス性に優れたクロスを検討するのもいいでしょう。
クロスの種類
クロスといっても種類があります。特徴について解説しますので張替えを検討するときの参考にしてください。主なクロスは以下のとおりです。
- ビニルクロス
- 機能性クロス
- 珪藻土クロス
- 布クロス、紙クロス
- 輸入クロス
ビニルクロス
一般的に使われているのがビニルクロスです。グレードによって金額が変わりますが性能に差はありません。量産クロスといわれるビニルクロスもメーカー側が良く出る色柄をピックアップして、安価に提供しているビニルクロスです。
豊富な色柄があるので、室内全体のベースになるクロスからアクセントに使うクロスまで好みに合うものを見つけることができるでしょう。
機能性クロス
ビニルクロスの中に機能性クロスといわれる、消臭や調湿機能などを持たせたクロスがあります。機能性クロスが持つ主な機能は以下のとおりです。
消臭機能
クロスの表面に消臭剤が加工されているクロスです。トイレやペットがいるお部屋、たばこの臭いなどが気になる空間向けです。
調湿機能
室内の湿度を調整する機能があるクロスです。湿気が気になる水回りや北側のお部屋での使用がおすすめです。
抗ウイルス
ウイルスや細菌の増殖を抑える機能があるクロスです。家族が集まるリビングやお子様の部屋で使うといいでしょう。
抗アレル
花粉やハウスダストの働きを抑える機能がクロス表面に加工されています。花粉が入りやす玄関や廊下、アレルギーが気になるご家族のお部屋向けです。
汚れ防止
一般的なビニルクロスよりもさらに汚れを拭きとりやすい加工が施されているクロスです。キッチンや洗面所、掃除の頻度が高いところに使うといいでしょう。
耐久性強化
クロス表面に傷に強い加工が施されています。ペットがいるお部屋やお子様のお部屋向けです。
珪藻土クロス
壁紙の上に珪藻土が塗られているのが珪藻土クロスです。
本当に珪藻土で仕上げる時には左官工事が必要になりますが、左官工事ほど手間を掛けずに、珪藻土クロスを使うことで、珪藻土仕上げに近い自然の風合いと調湿性を得ることができます。費用も抑えることができます。薄いクロスなので下地の凹凸が影響しやすかったり、つなぎ目が目立ちやすいなど施工の技術が必要です。
珪藻土クロスを使いたいと検討している時は、依頼する業者の施工実績を確認するといいでしょう。
布クロス、紙クロス
木綿や麻でつくられた布クロス、和紙を利用した紙クロスがあります。ビニルクロスと比較すると金額は高くなりますが、風合いに優れているので温かみのある落ち着いた空間をつくりたいときには効果的です。
輸入クロス
海外製のクロスになります。
一般的なクロスは材料の幅が90cmであるのに対して60cmなど変則的なサイズのものがあるので、注文するときには注意が必要です。そもそも値段の高いものが多いですが、変則的なサイズであるため一般的なクロスよりも材料が多く必要になり、さらに工事費用が高額になることがあります。
とはいえ、国産のクロスにはないデザインが魅力でとても人気があります。
クロスの張替えを検討されている方は、部屋を使う目的に合ったクロスを選ぶといいでしょう。お部屋がきれいになっただけでなく、使い勝手も良くなり、より満足したリフォームになるはずです。