壁紙のつなぎ目にできるひび割れ

木造の住宅では、柱や梁などの木製部分は動く性質があります。
そしてこの動きに伴って壁の下地やボードも動くため、その上に貼られた壁紙はその動きについていけず、ひび割れが生じることがあります。
特に、塩ビ製の壁紙は温度変化に伴って伸縮する性質があるため、壁紙が貼られた後の1〜2年でその伸縮が繰り返されると、ひび割れが出現しやすくなります。

その結果、気温の変動が大きい地域や、室温が頻繁に変わるような場所では、壁紙の接合部が広がってひび割れが頻発します。
これは、天気だけではなく、エアコンによる室温の変化でも引き起こされることがあります。

さらに、寒暖差が少ない地域でも、新築の木造住宅においては柱や梁の水分が蒸発し安定するまで、木材が大きく動く傾向があるため、壁紙の接合部にひび割れが生じる可能性があります。

ドアやサッシ周りにできるひび割れ

家の内部で、ドア、クローゼット、窓の枠周辺は振動が出やすい箇所です。
これらの場所は日々頻繁に開閉する動作が行われるため、その「動き」が重なると、ひび割れが出現しやすくなります。

また、車の通行が多い道路に面している建物も車が通過するごとに微妙な振動が建物に伝わり、その結果としてひび割れが生じる可能性があります。
加えて、壁と天井の接合部はお互いの動きが異なるため、隙間が広がりやすくひび割れが発生しやすい箇所です。

これらのドアや窓の周りで見られるひび割れも、壁紙の接合部で生じたひび割れと同様、補修や壁紙の貼り直しで対応ができます。

下地にもダメージがある場合は要注意

壁紙の下地として使われる材料には、石膏ボード、コンクリート、合板などがありますが、これらの下地の材料が劣化すると壁紙にもその影響が出てくる場合があります。

下地ボードは高い耐久性を考慮して作られていて、簡単にはひび割れが起きないよう設計されています。
そのため、下地ボードが壁紙と一緒に割れている場合は建物の構造に何らかの不具合がある可能性が高いので注意が必要です。

このような状況だった場合、ご自身での修理は避けて専門業者に調査を依頼することを推奨します。

ひび割れの程度

大きな問題のないひび割れ

縦に細長いひび割れが見られる場合、その多くは壁紙とのつなぎ目に発生した小さな隙間である可能性が多くあります。
また、揺れや振動から生じるドアや窓周围のひび割れに関しても家の構造自体は問題ありません。

修繕を検討したほうが良いひび割れ

壁紙のつなぎ目以外で見られるひび割れについては、長期間の使用による壁紙や下地の劣化が原因である場合もあり、これらは壁紙の張り替えや塗装などによって修繕ができます。
自分で修理するDIYも選択肢としてはありますが、自身の作業ミスで状況をさらに悪化させないよう、専門業者に依頼することをおすすめします。

すぐに修繕したほうがよいひび割れ

壁紙の接合部やドア、窓の周辺外で見られる下地に起きたひび割れについては特に注意が必要です。
このようなひび割れは、地震などの災害によって建物の基礎に損傷が生じている可能性が考えられるためです。

壁紙の浮きや剥がれは?

壁紙にひび割れまでは起こらず、浮いてり剥がれるケースがあります。
この症状は特に湿度が高い場所で発生しやすく、家の中では洗面所やキッチンがそのような場所となります。

壁紙が結露と乾燥を繰り返すことで、伸縮が起こり、その結果壁紙の浮きや剥がれが起こります。
このような場合、家の構造に問題があるわけではありませんが、美観が悪くなるので、症状が進行している場合は張り替えや補修を検討しましょう。

まとめ

ひび割れには、自分で修理できるものから、建物の構造に関わる深刻なものまで多種多様なケースがあります。

年月が経過による自然な劣化や壁紙本体の性質が原因であれば、ご自身でもひび割れを補修できます。
しかし、建物の基礎に問題がある場合は、速やかに専門業者に修理をお願いすることが必要です。

SHO ART では壁紙の張替えも承っております。お家の壁紙が気になる方はお気軽に御相談ください。